皆さんこんにちは!
昔からスタジオジブリ作品と自動車が大好きな筆者が、「そういえばあのジブリ作品の車ってどれがモデルなんだろう?」という単純な疑問から記事を作成しました!
ジブリ好きの方も、車好きの方もぜひ楽しんでくださいね!
© 1988 Studio Ghibli
世界中で愛されるスタジオジブリのアニメーション映画。実は劇中では実際に存在する車が多数登場しています。誰もが知っているものから、かなりマニアックなものまで様々な車種を見ることができます。
数あるジブリ作品の中から、「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」など、大人気作品を含んだ6作品を、映画公開の時系列順に車種をご紹介します。
となりのトトロ(1988年)
© 1988 Studio Ghibli
スタジオジブリのロゴにも登場するほどの代表作「となりのトトロ」。
誰もが知る名作アニメ「となりのトトロ」は、主人公のさつきとメイ、森の主であるトトロの不思議な出会いを描いた心温まる作品です。そんな本作には、二人の父親が乗る車が登場するシーンがあります。
お父さんが運転していた車は、かつて三菱が販売していたオート三輪型ピックアップトラック「みずしま」です。車両の生産を行っていた新三菱重工業水島製作所に由来する車名を持つ「みずしま」は、戦後間もない1946年から製造されました。
オート三輪とは、三つの車輪で走行する小型車両のことで、現在はあまり見かけませんが、戦後、高価な四輪車を買うことができない零細企業向けの廉価なモデルとして販売されていました。「ダイハツ ミゼット」などが有名です。
「となりのトトロ」の舞台は昭和30年代前半の日本。当時、農村部ではまだオート三輪が現役で活躍しており、お父さんの車が「みずしま」であったことは、時代背景を反映したものと言えるでしょう。
魔女の宅急便(1989年)
© 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N
思春期の少女キキが、魔女としての特技を活かして独り立ちしていく物語「魔女の宅急便」。主人公のキキはもちろん、黒猫のジジと共に旅をする姿に心惹かれた方も多いのではないでしょうか。
作品の舞台は、スウェーデンとも言われ、クロアチアとも言われています。そんなヨーロッパの街並みを彩るように、作中に様々な車が登場します。
トラクシオン・アヴァン(1934年)
作中では車名は明かされていませんが、ドアの開き方やバンパーの形状から、シトロエン トラクシオン・アヴァンではないかと言われています。
トラクシオン・アヴァンは、フランスの自動車メーカーであるシトロエンが1934年から1957年まで製造・販売していた乗用車です。シトロエンは、前輪駆動や窒素ガスによる高気圧油圧式制御サスペンションなど、革新的な技術を数多く開発してきたメーカーとして知られています。
フォルクスワーゲン タイプ1(1938年)
愛称で知られる「ビートル」こと、フォルクスワーゲン タイプ1も、キキがニシンのパイを届けるシーンで登場します。
ビートルは、ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンが1938年から2003年まで製造・販売していた小型車で、丸みを帯びた可愛らしいデザインと、世界で最も売れた車として知られています。
その他にも作中には、ルノー 4CVやフィアット 500など、様々なヨーロッパ車が数多く登場します。これらの車は、作品の舞台設定であるヨーロッパの街並みをよりリアルに再現する役割を果たしています。
ちなみに、主人公のキキが配達用に使っている自転車も実在するブリヂストンの「MB-1」がモデルです。MB-1は、1982年に発売されたシティサイクルで、そのシンプルなデザインと軽快な乗り心地で人気を博しました。
おもひでぽろぽろ(1991年)
© 1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH
休暇を利用して東北を旅する27歳の会社員タエ子が、過去を振り返りながら本当の自分を見つけていく物語「おもひでぽろぽろ」。
作中では、主人公の初恋相手・トシオがタエ子を乗せて運転するシーンで、スバル R-2が登場します。
トシオが運転していたのは、1970年に発売されたスバル R-2 SS。スバル 360の基本メカニズムを踏襲しつつ、より熟成されたモデルとして人気を博しました。
この車は、当時の日本の高度経済成長期における、自動車の普及を象徴する車と言えるでしょう。
千と千尋の神隠し(2001年)
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
ジブリ作品の中でも特に有名な「千と千尋の神隠し」。主人公の千尋が両親と引っ越す途中で奇妙な世界に迷い込んでしまうことから物語が始まります。
引っ越しの途中で千尋たちが乗っていた車は、アウディ A4のセダンタイプです。映画公開が2001年なので、初代A4(1994〜2001年)だと推測されます。
作中でこのA4の内装やペダル部分が描写されており、左ハンドルのマニュアル車であることも分かります。
ちなみに、この車は宮崎駿監督自身の所有車ではないかという噂もあります。
崖の上のポニョ(2008年)
© 2008 Studio Ghibli・NDHDMT
海辺の町を舞台に、魚の子・ポニョと5歳の少年・宗介の交流を描いた「崖の上のポニョ」。アンデルセン童話の人魚姫をモチーフにしながらも、日本を舞台とした独自の物語として多くのファンを魅了しています。
作中では、宗介の母・リサが車を運転するシーンが数多く描写されています。リサの車は、三菱の初代ミニカトッポではないかと言われています。
ミニカトッポは、1996年から2004年まで製造・販売されていた軽自動車規格のトールワゴンです。丸みを帯びた可愛らしいデザインと、使い勝手の良い広い室内空間で人気を博しました。
作中では、フロアマットにスバルのロゴが描写されているシーンがありますが、これはあくまでモデル車両として使われていると考えられます。
借りぐらしのアリエッティ(2010年)
© 2010 Studio Ghibli・NDHDMTW
人間に見られてはいけない小人・アリエッティと、アリエッティが暮らす家の住人・翔を取り巻く物語「借りぐらしのアリエッティ」。2010年公開と比較的新しい作品ながら、心温まるストーリーと緻密な映像で多くのファンを魅了しています。
実は、この作品には意外にも車が登場するシーンが多いのです。
翔の家のお手伝いさんの車
翔の家のお手伝いさんが乗る車は、デザインの特徴からスズキ・アルトの3代目モデルCP21Sだと推測されています。
この車種は、当時軽自動車の中で最もホイールベースが長いという特徴がありました。作中ではピンクのアルトに乗っており、可愛らしい外観になっています。
翔のおばあさんの車
翔のおばあさんはメルセデス・ベンツのW123に乗っています。W123はベンツの中核を担う車種であり、今でもメルセデスベンツの名車として語り継がれているモデルです。
作中では、おばあさんがW123で病院へ向かうシーンが登場します。W123の堂々とした佇まいは、おばあさんの存在感をより一層引き立てています。
まとめ
このように、ジブリ作品の中には数多くの車が登場しています。車に注目して過去の作品を見返してみるのはもちろんのこと、今後発表される新作を見る際に車に注目してみるのも良いかもしれませんね!