新年になると、親戚や友人との顔合わせが増え、気になるのがお年玉の金額やマナーですね。子供の学年によって適した金額を考え、マナーを守ることが大切です。同時に、喪中の場合やキャッシュレスの活用方法にも気を配りましょう。
お年玉の金額は一概に決まっていませんが、学年ごとに相場が存在します。学研キッズネット編集部の調査によると、未就学児から高校生までのお年玉の金額は1,000円から2万円まで様々です。学年ごとの相場を見ると、小学生までが3,000円、中学生が5,000円、高校生が1万円から2万円が一般的なようです。
学年ごとのお年玉の金額ランキング
※参考:学研キッズネット編集部 ※参考:マネ会 by Ameba、三菱UFJニコス
お年玉の金額は、子供の親と相談しておく
お年玉の金額については、お年玉を贈る子供の親とあらかじめ相談しておくことが良いでしょう。ルールや金額に関する詳細な取り決め、「小学生はいくら、中学生はいくら」といった約束事を整理しておくことで、お互いがスムーズに合意できます。また、中学を卒業した際にはお年玉が不要とする取り決めもあらかじめ共有しておくと良いです。子供たちにとってお年玉は一大イベントなので、金額の不公平が生じないよう心掛けましょう。
お年玉を渡す際のマナー
お年玉を贈る際のマナーにも気を使いましょう。お年玉の由来が鏡餅に関係していることを知っておくと、その意味や背景を尊重した贈り物ができます。歳神様をお迎えし、お正月を終えたら歳神様を送り出す「鏡開き」の習慣に倣い、お年玉を分け与えることが一般的でした。この由来を踏まえ、お年玉を贈る際には以下のマナーに留意しましょう。
ポチ袋に入れる
お年玉はポチ袋に入れて渡します。お金を裸で手渡すのは避け、相手の名前を表面に、自分の名前を裏面に書くことで、お金の管理がしやすくなります。特に小さな子供の場合、親がお金を預かることが一般的です。その際、どのお年玉が誰からいただいたものかを識別できるようにしましょう。
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新札を用意しておく
お年玉には新札を用意することが好ましいです。これは、その日のために用意してきた心遣いを表すものであり、新札の使用は喜ばれます。銀行によっては新札専用のATMもあり、手軽に入手できることもあります。銀行で新札を手に入れるには混雑することもあるため、年末に早めに用意しておくと良いでしょう。
忌み数を避ける
お金を包む際には「忌み数」を避けることもマナーの一環です。例えば、「4」や「9」といった数字は「死」や「苦」に関連しており、忌まわしいとされています。一方で、「3」や「5」などの奇数は吉祥を意味し、喜ばしいとされています。また、日本では「8」は縁起が良いとされています。これらの数字に注意してお年玉を包むことで、相手に喜ばれるでしょう。
お札の折り方や向きに気をつける
お金を贈る際のお札の扱いや注意点も重要です。お札には肖像がある側が表となります。表面を上にして、左から右への三つ折りが一般的です。四つ折りは忌み数とされるため、避けたほうが良いでしょう。三つ折りにしたら、折り込んだお札の右側がポチ袋の表側を向くようにし、袋に入れましょう。この方法を取ると、袋からお札を取り出して広げる際に、お札の表面がスムーズに見えるようになります。
硬貨の場合は、絵柄が彫り込まれている側が表面です。硬貨の表面をポチ袋の表面に向け、入れることが一般的です。
目上の者から目下の者へ渡す
お年玉は、目上の者や年長の者から目下の者へ手渡すものとされています。自分の親に対しては渡すべきではありません。同様に、上司や仕事のお客さまなど目上の人の子供には、本来お年玉を渡さない方がマナーです。もし渡す場合は、「お年賀」や「お小遣い」として渡すことが一般的で、「お年玉」という表書きのないポチ袋を用意しておくと配慮ができます。
相手が喪中の場合、お年玉は控える
相手が喪中の場合は、お年玉を控えるのが良いでしょう。お年玉はお祝い事の一環であり、喪中の家族に対しては控えめな態度が望ましいです。喪の期間は明確に決まっていませんが、故人との関係によっておおよその目安があります。喪中の家族の状況を尊重し、お年玉を贈るタイミングを検討しましょう。
現金以外のお年玉
QRコード決済でのお年玉贈り
従来の紙幣や硬貨に代わり、スマートフォンを使ったQRコード決済が一般的になりました。お年玉も例外ではなく、贈り主が相手のスマートフォンにQRコードを表示し、そのコードを読み取って送金することでお年玉を贈ることができます。この方法は手軽で即時に送金されるため、新しいお年玉の形として人気を集めています。
デジタルギフトカードの利用
デジタルギフトカードは、特定の店舗やオンラインサービスで利用できるプリペイドカードです。お年玉として、好きな商品やサービスを選んで利用できるのが魅力です。送り主が特定のデジタルギフトカードを購入し、それを受け取った人が利用する仕組みです。これにより、好みや用途に合わせたお年玉を受け取ることができます。
仮想通貨を使ったお年玉
仮想通貨もお年玉の新たな選択肢として浮上しています。ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を贈り主が受け取る相手に送金することで、お年玉を送ることができます。ただし、相手が仮想通貨の取引に慣れているかどうかを考慮し、送り主と受け取り手との間で取引手数料や変動リスクについての合意が必要です。
マネーアプリを利用したお年玉贈り
スマートフォンのマネーアプリを利用することで、簡単かつ迅速にお年玉を送ることができます。送り主と受け取り手が同じマネーアプリを利用している場合、アプリ内で直接送金やデジタルお年玉を送ることができます。この方法は手続きがシンプルで、年齢や技術に関係なく利用できるため、広く受け入れられています。
キャッシュレス決済の普及に伴い、お年玉もその形が多様化しています。贈り主と受け取り手の都合や好みに合わせ、新しいお年玉文化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
お年玉の歴史は古く、江戸時代から存在していたと言われています。当初はお年賀や年始のご挨拶の一環として、親戚や知人が子供たちに米や餅、小判などを贈る風習がありました。この中で小判などの貴重な品物が子供たちに与えられ、次第にお金の贈り物へと変化していきました。
明治時代になると、商業が発展し、銀行などが普及したことで、お年玉は紙幣や硬貨として贈られるようになりました。特に戦後、一般の家庭にお金を贈る習慣が一般的になり、お年玉は子供たちにとって楽しみな年末の出来事となりました。
技術の進化や社会の変化に伴い、お年玉の形態も変わる可能性があります。キャッシュレス決済や仮想通貨の発展により、紙幣や硬貨以外の形でお年玉が贈られることが一般的になるかもしれません。また、お年玉を受け取る側も、贈り主との関係性や好みに合わせて受け取り方を選ぶようになるかもしれません。
お年玉はその形態や贈り物の意味合いが変わりつつも、子供たちにとって特別な瞬間であり、家族や親戚との結びつきを感じる大切な行事として、これからも愛され続けることでしょう!
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